道外禁止の部屋 チ500


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道内封じ込め貨車の中で、ゲテモノを挙げるとすれば、上位入るのがこの車ではないでしょうか。3軸長物車の車体に不細工な妻板を取り付け、事業用車を示す白帯、そして黄帯の2重線標記、容貌怪異で、とても製作意欲を刺激する車です。
この貨車は、あの悪評の高いトキ900型のなれの果てで、アオリ戸、妻板を撤去、台枠以下を利用し、長物車に改造されたものでした。 しかし、ヨンサントオ以降は営業用から外され多くは廃車にされましたが、運の良いものは事業用車となって活用されることになったのです。この「チ766」も配給車として、苗穂工場に配置され、各工場間の輪軸の輸送に使用されていたようです。
車体は真鍮板t0.8よりスクラッチ。妻板も同様ですが、補強柱はアダチのトラ90000のを流用しております。走り装置はエンドウのプラ貨車の軸受を使い、バネ部分は実車に忠実にアダチのトキ900のを使用、車輪はトミックスの貨車用の車輪を使用しております。中間軸のみは車軸をドリルロッド材に交換、プレーン軸とし、軸受けを縦長穴として上下動、軸受け穴を深くして、左右動を許容させております。同社の車輪はスポークが細く繊細で、感じが良いので最近これを愛用しております。更に輪芯が樹脂製ですのでショートの危険性もありません。車体重量が割とあるせいか、意外と脱線はしません。
3軸車の多くは中間軸にはブレーキ装置が無いのが普通ですが、トキ900の場合はこの車の性質上、編成に占める割合が多くなることが予想されるので、制動力が不足することがないように、全部の車軸にブレーキ装置が取りつけられておりました。チ500に改造された際にも中間軸のブレーキ装置は撤去されず、そのままであったようです。
さて、積荷の輪軸はスポーク車輪を使いました。実物に似せるため、両軸端部のツバを表現してあります。固定用のロープはミシン糸を着色したものです。各標記はくろま屋のインレタで「道外禁止」と「札」はNゲージ用のを使いました。「苗穂工場」、「配給車代用・・」は自作デカールです。