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積荷に凝る!

チキ3000 61式戦車積載

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高校の修学旅行の往路、岩見沢操車場で貨車積みされた戦車を見たことがありました。興奮して思わず、「あっ。戦車だ!」と叫んでしまったことを思い出します。当時は岩見沢からDC急行で函館まで行き、青函連絡船に揺られ、青森から東北本線一部常磐線経由の寝台特急(当時は3段寝台)で上野まで。それから新幹線で京都まで、という行程でした。目的地に着いた時にはへろへろでしたが、いかにもはるばる来たな~という実感がありました。

 

ワイヤーを張るスプリング

 

さて、本題ですが、長物車はアダチのチキ3000のキット、戦車はフジミのプラキットです。この61式のキットは縮尺1/76で1/80に較べ、ちょうど5%大きいのです。このまま使用すると、幅が2ミリ程オーバーし、大きくチキの幅からはみ出してしまいます。

実物でさえかなりオーバーハングしている印象があるので、なんとかしたいところです。当初は車体をどこかでカラタケ割をして幅を詰めようとしたのですが、車体下部はともかく、車体上部の場合、ディティールを損ない、大変な加工が必要になるのでこれは断念し、転輪部の側板を少し奥に取り付け、フェンダー側部を削って何とか、幅2ミリ程詰めて帳尻を合わせています。

戦車本体は特に目立ったディテールアップはしておりませんが、牽引用ワイヤーロープは模型店で見つけた真鍮の極細ワイヤーを加工して取付けています。ただ、この製品注意しなければならないのは、透明のビニール被覆があることで、使用する前に軽く火で炙りこの被覆を取る必要があります。そして、ワイヤーの途中にはロストの「ターンバックル」を付けました
。(このワイヤーは大きな手芸店でも売られております)。あとは、輸送時に砲身を固定するトラベリングロックと呼ばれる装置を真鍮材で加工し取付けました。

この模型の一番の胆であるところは、戦車の積載方法です。チキの荷台に枕木方向に台木を並べ、戦車を載せています。緊締方法は前後に2本のワイヤーをX形に張り、チキのステークポケットにワイヤー端部を引っかけてターンバックルで締め付け、更に転動防止として角材を楔にして車体前後に噛ませています。

問題となるのはこの固定用ワイヤーの張り方でした。実物はピンとテンションが掛かった状態ですので、少しでもたるみがあると、大きく実感を損ないます。そこで車体内部に「ワイヤー張力維持装置?」を仕込んでみました。言葉で現すとおおげさですが、ご覧のようにスプリングで、ワイヤーを張っているというごく単純な仕掛けです。

 

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チキ3000はほぼ素組ですが、若干手を入れました。T字型のエッチング製ロープ掛けは太いのでヤスリで細く整形し、伸縮式の手摺を取り付けてあります。塗装完了後、2ミリ角材を枕木として、戦車の覆帯幅に合わせてカット。着色したのち両面テープで貼り付けて並べました。

戦車の固定は3本の2ミリビスで締めています。中央のビスで車体下部を、左右のビスで車体上部を固定してあります。これによって、車体下部を貨車に固定したまま、上部のみを取り外し可能にしております。


 

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